みんなで循環を
考える。

社員インタビュー

ドライバーの視点から、働き方、分別、
 「いいサイクル」を考える 

環境部 主任ドライバー関口 悟

環境部 主任ドライバー関口 悟

ごみの収集を行うドライバーの姿を見かけることはあっても、毎日の仕事内容や働き方について詳しく知る機会は、まだまだ少ないのかもしれません。東京の街を走りながら、ごみ収集・運搬を行うドライバーの日々の仕事について、品川運輸環境部に所属する関口悟が語りました。

 街の清掃を担う、ドライバーの仕事 

––品川運輸に入社されたきっかけは何でしたか?

品川運輸で働きはじめる以前から、15年ほどドライバーの仕事をしていました。日本全国をトレーラーで走りながら20トンの鉄を運んでいて、平日は関東近辺を周り、週末になると九州まで足を伸ばすこともありましたね。15年間続けたので、ここでひとつ区切りをつけようと近場で転職先を探していたところ、たまたま知り合いが品川運輸で働いていたことが入社のきっかけになりました。現在入社してから1年半ほどが経ちます。

SHINAUN 関口悟の仕事風景

––毎日の仕事の流れを教えてください。

通常ドライバーは4時半から収集をスタートしています。現在僕は主任をさせていただいているので、朝一番の4時に出社して、前日収集を終えて帰ってきた状態のトラックを整理して、みんながスムーズに出発できるように準備することから業務がはじまります。それからは、大体100〜150件ぐらいの廃棄物を6、7時間かけて収集し、帰社後は洗車をして一日の作業が終わります。

SHINAUN 関口悟の仕事風景 手元

––収集したごみは、一般廃棄物については清掃工場、資源ごみについては中間処理の工場に運搬していくのでしょうか?

そうですね。産業廃棄物に関しては、品川運輸の施設である京浜島にあるリサイクルセンター(中間処理施設)に運搬して降ろすことになっています。一般廃棄物は23区内にある決められた清掃工場に運んでいます。各工場に運搬できる廃棄物の量は、行政によって会社ごとに決められているので、社内の管理者がトン数を把握し、ドライバーに対して各工場に何回搬入するのかを指示しています。

SHINAUN 仕事風景

京浜島リサイクルセンター[第一工場]

SHINAUN 仕事風景

京浜島リサイクルセンター[第二工場]

––みなさん夜は大体何時ぐらいにお休みになるんですか?

早い人だと6時ぐらいに寝てしまって、2時に起きている方もいますよ。僕はそんなに早く寝てしまったらもったいない気がするので(笑)、9時ぐらいに寝て3時ぐらいに起きています。そこから支度をして、自転車で出社する毎日です。

品川運輸ではほぼ残業はなく、収集量の多い日でも午後1時か2時にはほとんどのドライバーが仕事を終えています。基本的に仕事のペースや帰る時間は自分次第なので、黙々と仕事に打ち込む方には相性の良い職業だと感じますね。午後からゆっくりとプライベートの時間が持てるのも魅力だと思います。

SHINAUN 関口悟の仕事風景

––現在品川運輸では何人のドライバーが働いていますか?

現在は約30名のドライバーが働いていて、平均年齢は50歳ぐらいです。社歴の長い方が多く、10年以上品川運輸で働いている方も多いです。人手不足の状態が続いていますが、元気な先輩たちと一緒に日々頑張っています。

––もともとドライバー経験のある方が入社されることが多いのでしょうか?

いや、そうでもないですよ。僕が最近教育を担当した方は、品川運輸に入る前は25年間料理人をしていました。お店をやっていた頃に、ごみ収集業者の方と仲良くなり、この仕事に興味を持ったみたいですね。それまではマニュアル車に乗ったことがなかったようで、最初は慣れるまで大変だったと思います。

––品川運輸で働くドライバーの間で、共通する考え方などはあるのでしょうか。

ドライバーである僕らも、ただごみを収集していればいいわけではないので、収集時の身だしなみには気を配るようにしています。24時間営業のお店へと収集にうかがう際には、制服のまま店内に入らせいただくことになるので、お食事中の方が嫌な思いをされない着こなしを意識しています。

SHINAUN 関口悟のインタビュー

––仕事のどのような場面でやりがいを感じますか?

ごみをすべてトラックに積んだ後に、集積所が綺麗になったのをみていると、単純に「綺麗になってよかったな」と思いますね。もちろん積みはじめは大変さが勝るんですが、終わったころには気分がよくなっている自分に気がつきます。

また、品川運輸では地元とのつながりを感じることができるので、それがいちばんのやりがいにつながっていると思います。幼稚園や保育園、公園での収集は大体同じ時間帯に行うので、子どもたちが声をかけてくれたり、手を振ってくれたりすることもあって、ほっこりするというか、この仕事を通じて街の人たちとつながっている感じはありますね。安全運転しなくちゃと思います。

––まさに街の清掃を担っているお仕事だなと感じます。

そうですね。「あの場所のごみは俺が取ってるんだぜ」みたいな、そんな風に感じられる仕事だと思います。車で街を走っている時でも、品川運輸が収集している場所を通るたびにそんな気持ちになります。

 収集者の視点から感じる、 
 ごみの分別の現状 

––収集するものとしては一般廃棄物と産業廃棄物があると思いますが、関口さんはどういった仕事を担当されているのでしょうか。

僕は事業系のお客様を担当する環境部に所属しているので、居酒屋などの飲食店や、企業の廃棄物を収集しています。飲食店の前にごみ箱が置いてあるのを見かけると思いますが、そこからごみを収集するのが僕らの仕事です。日々回っているコースがあって、生ごみなどの一般廃棄物=「一廃(いっぱい)」と、燃えないごみなどの産業廃棄物=「産廃(さんぱい)」のほかに、段ボールといった資源ごみや、お客さんからの依頼があった場合は、家具などの粗大ごみを、それぞれをチームで収集しています。

––大変な作業はありますか?

企業の産業廃棄物の収集に関してはそこまでありませんが、飲食店の生ごみの収集では大変な場面もありますね。たとえばラーメン屋さんの収集では、ごみ箱いっぱいに入ったゲンコツは4〜50kgの重さにもなるので、声を出さないと持ち上がらないですね。

––家庭ごみとは違って、飲食店の生ごみは毎日収集されているのでしょうか?

そうですね。毎日出るものですし、お店で溜めておくことができないものなので、土日の収集もあります。ファーストフード店などでは日曜日のごみの量がかなり多いので、シフト制で週ごとに担当を決めて回しています。ペットボトル・缶などの燃えないごみは、2日ごとの収集です。

SHINAUN 関口悟の仕事風景

––ごみ分別に関して、収集されている立場から感じていることをお聞きしたいです。

正直なところ、もう少し分別してもらえると、資源ごみのリサイクル量を増やすことができるのにと思うことはあります。生ごみの中にプラスチックごみが入っていることもありますし、濡れたままのプラスチックのトレイや冷凍食品の袋、汚れてしまったダンボールなどもあります。それらはリサイクルすることができなくなってしまいますし、中間処理施設に運搬してから焼却処分するしかないので、もう一歩踏み込んだ意識を持ってもらえるとうれしいです。

もちろん、きちんと分別しているお店はたくさんあって、お店に入った瞬間に掃除されていて綺麗だなと感じるお店は、ごみの出し方も綺麗なんですよ。綺麗にまとめられていると助かりますし、ごみの出し方を見て「どんなお店なんだろう」と興味を引かれることもあります。

SHINAUN 関口悟の仕事風景

––世の中のリサイクルへの意識は年々高まっているように感じますが、ドライバーの視点からどのようにお考えですか?

実際のところ、本当に世の中が変わってきているのかどうかはまだわからないのが正直なところだと思います。SDGsという言葉だけが広がっている気がして、同時に個人の意識のレベルをもっとあげていくことも大事なんじゃないかなと思います。

 リサイクルの先を知ることが 
 「いいサイクル」につながる 

––ごみの分別やリサイクルへの意識を高めるにはどうすればいいと思いますか?

実際にリサイクルされた資源が、どんな使われ方をされているのかがわかるようになるといいなと思います。そうすれば誰もが興味を持てるようになると思いますし、ごみを出す方々の意識が変わってくるのではないかと。

たとえば、今月はどのくらいリサイクルされたかがわかる仕組みがあるとおもしろいですよね。リサイクルの先にあるものがわからないから、みんな責任感を保つことができていないと思うので、資源が循環されていることを実感できるようになるといいなと思います。

SHINAUN 関口悟の仕事風景

––品川運輸のドライバーとして、今後取り組んでいきたい課題を教えてください。

あまり生意気なこと言えませんが、どのようにリサイクル比率を高くしていくかは、これからの課題として直面することになるように感じます。すべての廃棄物をリサイクルできるようになるのが理想ではありますが、なかなか現状ではむずかしいので、なるべく資源を減らさずに、これからの時代に残していくためにはどうすればいいのかを考える必要があるんじゃないかなと。それは品川運輸だけが取り組むのではなく、ごみに関わるすべての人たちの間で底上げをしていかないといけない意識だと思います。

SHINAUN 関口悟のインタビュー

––最後に、関口さんにとっての「いいサイクル」とは何でしょうか?

難しい質問ですね。僕自身はまだ答えが見つかってないと思いますし、その土台をつくっている過程なんじゃないかなと感じます。それがわかるようになればさらにいいサイクルを実践できるようになると思うので、これからもそれを目指していくことが課題なのかなと思います。

僕もこの仕事を始める前は、ごみをごみとしてしか捉えられていませんでしたが、ドライバーとして働く中でサイクルへの意識を持つようになりました。きちんと勉強していかなきゃいけないことはまだまだたくさんありますし、いいサイクルへの意識は自分自身で変えていけることなので、仕事に限らず、個人としての意識も高めていければと思います。

いいサイクルってなんだろう。

SHINAUN 環境部主任ドライバー 関口悟のポートレート

環境部 主任ドライバー

関口 悟

2022年4月入社
中長距離トラックドライバーとして日本全国を走り、運行管理者として配車や運転手の管理育成の経験を経て品川運輸に入社。

執筆・編集・写真

フリーランスライター / エディター

堀合 俊博

(a small good publishing)

フォトグラファー

川島 彩水

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